小児の急性胃腸炎について
- せい子 藤沼
- 6 日前
- 読了時間: 3分
今回は、小さなお子さんに多い「急性胃腸炎」について、原因・症状・治療・おうちでのケア、そして感染経路と感染予防についてもまとめました。
急性胃腸炎とは?
急性胃腸炎は、ウイルスや細菌が原因で、おなかに炎症が起きる病気です。子どもではとてもよく見られ、「嘔吐下痢症」と表現されることもあります。
主な原因
ウイルス感染(ロタウイルス、ノロウイルスなど)
細菌感染(カンピロバクター、サルモネラなど)
まれに、食べ物にあたる(食中毒)こともあります。
感染経路
急性胃腸炎は、以下のような経路でうつることがあります。
人から人への感染 感染者の嘔吐物や便に含まれるウイルスが手に付着し、口に入ることで感染します。
食べ物や飲み物からの感染 ウイルスや細菌に汚染された食品や水を食べたり飲んだりして感染することもあります。
飛沫感染(一部のウイルス) 嘔吐のときに飛び散ったウイルスを吸い込んでしまうことでも感染する場合があります。
特に小さなお子さんは、手を口に入れることが多いため、感染しやすいです。
症状と経過
嘔吐(吐く)
下痢(やわらかい便や水のような便)
腹痛
発熱(1〜2日)
通常、嘔吐は1~2日でおさまり、下痢は1週間ほどで改善していきます。
治療について
ウイルス性の場合は、特別な薬は使わず、自然に回復を待つのが基本です。脱水を防ぐために、必要に応じて
水分補給(経口補水液など)
吐き気止めや整腸剤の使用 を行います。
※下痢止めは、体からウイルスを出す妨げになるため、原則使いません。
おうちでのケアのポイント
① 水分補給をこまめに
少量ずつ何回にも分けて飲ませましょう。
② 食事は焦らず
吐き気や下痢が落ち着いてから、消化のよい食事を始めます。特に脂質の多いものや刺激物は控えましょう。
③ しっかり休ませる
体力回復のために、十分な休息が大切です。
④ 感染予防を心がける
家族全員急性胃腸炎に・・・という話もしばしば耳にします。感染を広げないために、以下を徹底しましょう。⬇️
感染予防のポイント
手洗いをしっかり 嘔吐物や便の後、食事の前後には石けんと流水で30秒以上かけて手を洗いましょう。
嘔吐物・便はすぐに適切に処理 使い捨ての手袋・マスクを使い、ペーパータオルで拭き取り、**塩素系消毒液(漂白剤を薄めたもの)**で消毒します。
タオルや食器は共用しない ウイルスが付着している可能性があるので、タオル、コップ、食器は別々に使いましょう。
おもちゃやドアノブの消毒 共有部分もしっかり消毒しておくと安心です。
洗濯物は別にしてしっかり洗濯 嘔吐物や便が付いた衣類は、他のものと分けて、できれば漂白剤を使って洗いましょう。
受診の目安
次のような場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
水分がとれず、ぐったりしている
おしっこが半日以上出ない
嘔吐が何度も続く
血便が出る
高熱が続く
その他、何か気になることがあれば、いつでもご相談ください!